それまではハード面のスペックやクォリティ、さらにミキシング技術等で一線
を引き差別していた。ところが、ディジタル技術の進歩が音楽を変えてしまった。
と同時に民生機器の進歩は録音の考え方まで変えてしまう。機能がすばらしくプ
ロのスタジオと変らなくなった。決定的なのはその音楽を一番解っている人間が
録音しミックスするものだからかなわない、完ぺきなものができ上がる。
これは「由々しき問題だ」とスタジオのオエライさんは焦りはじめた。そして
その対策として考えだされたのが、次のようなことだった。1. ミキサーの社会的地位向上のために、著作隣接権を認めさせる。
2. レコーディングエンジニアという名称は職人的で古くさいからアーチスト
的な名前にしたい。フリーランサーの立場からも意見を聞きたい、というので私はこの会議に出席
しました。
私はこのテーマを聞いた瞬間、血が逆流してしまい、帰ろうとしたのですが、
とにかく彼らの言い分も聞こうと最後までつきあいました。第1の著作権法の定義に適合するならば決してわるい話ではありません。敢え
て反対する理由はどこにもありません。しかし、私は、物事に順序というものが
あるように、先ずアレンジャーの権利が認められてからと思いました。
シンセサイザーのマニュピレーターが認められて、アレンジャーが認められて
いない、というのは納得出来ません。さらにミキサーとなると本末転倒でしょう。
この一言で会議は白け始めました。
そして、私の開いた口が塞がらなかったことは、大上段に振りかざした第2の
口上です。「もはやミキサーは、ただのエンジニアではないアーチストなんだ」
とは、よくいうよ!!。だから印税を貰らい、名称もアーチスト的な名にかえる
(サウンドデザイナー、レコーディングアーチスト等)そうする事が社会的地位
の向上に繋がるというのです。「狂ってる」としかいいようがありません。著作隣接権(二次使用によって発生する印税で放送とかカラオケから徴収する
zakkan2
らしい)を認めさすには、それらしい名称をということなのでしょう。
成程、肩書きやバッジを付ける、それが社会的地位の向上というわけです。これ
では「成り上がり者」以外のなにものでもありません。
私がもっとも気にかけている『ウサンクサイ職業』これをしっかり意識させて
くれました。実に嘆かわしい。
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